ソルト焼入れ

ソルト焼入れとは

諸説ありますが、焼入液に熱浴(200~500℃のソルト)を使う方法で、熱浴の温度が200~250℃の場合にはマルクエンチ、熱浴の温度が350~500℃の場合はオーステンパに利用する、と著されています。
「日本規格協会 熱処理技術マニュアル」より引用

当社のソルト焼入れは、塩化ナトリウムと亜硝酸ナトリウムを原料とする薬品を加熱融解し、ソルトバス(塩浴)となります。一般的な塩浴熱処理や液体浸炭とは違い、ガス浸炭窒化加熱炉で製品を加熱後、低温のソルトバス(塩浴)で急冷する焼入方法です。
これは鋼のMs点に近い温度のソルトバス(塩浴)を使用して行う硬さ焼入れで、製品の内外が同一温度になるまで等温保持した後、引き上げて空冷します。この方法によってマルテンサイト区域(危険区域)をゆっくり冷やすことになるので、「割れず硬く」焼き入れることができます。

歪み・変形(曲がりなど)は冷却むらが部分的に生じて起きる変形で、一般に早く冷えた個所は凸、遅い個所は凹形に変形すると言われます。

当社で比較しますと、第二工場(バッチ炉)での油焼入れは80℃~120℃で焼入れを行います。第一工場(ピット炉)でのソルト焼入れは150℃~170℃で焼入れを行います。

なぜソルト焼入れが油焼入れより歪みが少ないかは、この焼入れ温度にあります。

熱処理に詳しい方はここでお分かりかと思いますが、焼入れ温度が低いと硬くなりますが歪みが生じます。油焼入れとソルト焼入れで温度管理が違うのかは「蒸気膜段階」にあります。材質にもよりますが、850℃以上に加熱された鋼は400℃付近までをゆっくり冷却すると,比較的柔らかいフェライトやパーライト組織が生成してしまい、硬さが得られません。炭素鋼(SC材)等は合金鋼に比較してこの傾向が強く、従って冷却がゆっくりである蒸気膜段階領域を短くすることは重要なポイントとなります。

そのため当社ソルト焼入れは、油焼入れに比べ3分の1の歪みが少なく熱処理できるため、「長尺や大物」にソルト焼入れにメリットがあります。
しかし、酸素に触れるためスケールが付着するのがデメリットとなります。

ソルトバス(塩浴)は乙第1類危険物取扱者が管理しています。

当社はどのような設備があるか「設備概要」にて確認できます。
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