析出硬化系の熱処理とは、何ですか?
【Question】
析出硬化系の熱処理とは、何ですか?
析出硬化熱処理は出来ますか?(N社様より)
【Answer】
当社では、SUS630の析出硬化熱処理、H900・H1025・H1075・H1150に対応出来ます。
有効寸法や熱処理内容で不明な点は、お気軽にお問い合わせ下さい。
析出硬化【precipitation hardening】(せきしゅつこうか)とは
固体の内部において、組織・構造の異なる新しい相を生じることを析出と呼ぶが、この新相(析出相)の形成によって合金が硬化する現象が析出硬化である。
「世界大百科事典 第2版引用」
析出硬化系の熱処理
鋼種
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種類 | 記号 | 条件 |
SUS630 | 固溶化熱処理 | S | 1020~1060℃(急冷) |
析出硬化熱処理 | H900 | S処理後470℃~490℃(空冷) | |
H1025 | S処理後540℃~560℃(空冷) | ||
H1075 | S処理後570℃~590℃(空冷) | ||
H1150 | S処理後610℃~630℃(空冷) | ||
SUS631 | 固溶化熱処理 | S | 1000~1100℃(急冷) |
析出硬化熱処理 | TH1050 | S処理後760±15℃に90分保持、1時間内に15℃以下に冷却、30分保持、565±10℃に90分保持後空冷 | |
RH950 | S処理後955±15℃に10分保持、室温まで空冷、24時間以内に-73±6℃に8時間保持、510±10℃に60分保持後空冷 |
同一の合金においても、形状または鋳造品か否か、また質別により熱処理条件が違う場合があります。
詳しくは、JISハンドブック熱処理を参照して下さい。