応力除去焼なまし(応力除去焼鈍)熱処理は可能ですか?
【Question】
応力除去焼なまし(応力除去焼鈍)熱処理は可能ですか?(P社様より)
【Answer】
応力除去焼なまし(応力除去焼鈍)は対応可能です。
週末に熱処理することが多いため、納期を急がれる場合は、事前に連絡下さい。
また見積依頼などは、お気軽にお問い合わせ下さい。
応力除去焼なまし(JIS記号:HNA)
常温加工や溶接などによる内部応力(残留応力)を除去して軟化したり、焼狂いを少なくするために行う軟化焼きなましを応力除去焼きなましという。
加熱温度は500~700℃で、完全焼きなましよりも温度が低いので低温焼きなましともいう。残量応力は、再結晶という現象で除去されるのであるから、再結晶温度以上に加熱することが大切である。
「日本規格協会 鉄鋼材料選択ポイント」より引用
当社では、溶接した製品の応力除去焼きなましの依頼が多く、溶接を行うと熱影響を受けます。熱影響部とは、溶接や切断などによる熱で組織(機械的性質など)に変化を生じた部分で、溶接部においては、母材と溶接金属の中間部分になります。一般的に溶接を施した部分は、溶接金属と熱影響部からなる溶接部と熱影響部の外側の領域で熱影響を受けない母材との、異なる性質をもつ金属の連続的な集合体となります。溶接部における熱影響部での組織・性質・機械的性質の変化としては、硬さや切欠きじん性(衝撃値)に大きな変化をもたらします。熱影響部は、”Heat-Affected Zone”の略から、”HAZ”とも言われます。
「JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)」より引用